糖尿病について③ 〜治療〜|高輪みつるクリニック|泉岳寺・高輪ゲートウェイの救急クリニック

  • 友だち追加
  • エックス
〒108-0074 東京都港区高輪2-16-10
03-6432-5224
WEB予約
ヘッダー画像

ブログ

糖尿病について③ 〜治療〜|高輪みつるクリニック|泉岳寺・高輪ゲートウェイの救急クリニック

糖尿病について③ 〜治療〜

皆さん、こんにちは!

糖尿病についての最後は、治療方法について説明していきます。

 

糖尿病の治療は?

その他の生活習慣病と同様に、生活習慣の是正薬物療法を行います。

生活習慣の是正とは、高血圧、脂質異常症と同様に

食事療法運動療法です。

内服薬はかなり多種多様なものがあり、現在も新しい薬剤が研究・開発されています。

糖尿病は完治できる病気ではないため、長期的な治療が必要となります。

血糖値を上手にコントロールしていく必要があります。

 

具体的な食事療法

基本的には糖質と脂質を抑えた食事が必要です。

糖質はもちろん、脂質も代謝されてグルコースに変化するため、油物も控える必要があります。

脂質異常症(高脂血症)とも同じような対策となります。

そして、もう一つ食事の中で意識するのは、

急激な血糖値の上昇を防ぐ

ことです。

以下に食事の際に注意することを列挙してみます。

✔︎ 必要なカロリーを計算して食事をする

✔︎ 1日3食食べる

✔︎ 食べる順番を意識し、野菜から食べる

✔︎ 主食・主菜・副菜を食べる

✔︎ 糖質:タンパク質:脂質をバランスよく摂る

✔︎ 食物繊維もよく摂る

1日に摂取すべきカロリーは、

摂取カロリー(kcal/日)= 身長(m)× 身長(m)× 22 × 身体活動量

身体活動量は、仕事などでどの程度体を動かすことが多いかにより、計算方法が異なります。

・デスクワークが中心の方、主婦の方:25〜30

・立ち仕事が多い方:30〜35

・力仕事が多い人:35〜40

で計算し、そのカロリーを朝昼夕の3回で摂取していくイメージです。

1日の中の活動量も考慮すると、朝昼夕で1:1:1よりも、夕食の比率を落として、昼食を少し多めにすると良いかもしれません。1:1.2:0.8 くらいでしょうか。

3食食べることは非常に重要で、1食抜くことにより、次の食事の際の血糖値が急激に上昇しやすくなります。ですので、朝、昼、夕でしっかり食べることが大事です。

朝ごはんを抜いているあなた! 絶対ダメ!!

また、糖質制限のために主食は食べないというのもまたダメなんです。

タンパク質の吸収には糖質も必要といわれています。もちろん、量の調整は必要ですが、しっかりと主食を食べることは非常に重要です。

そして、糖質(炭水化物)・タンパク質・脂質のバランスも考える必要があります。

バランスとしては、

糖質 55〜60% : タンパク質 15〜20% : 脂質 20〜25%

が理想となります。我々の普段の食事では、どうしてもタンパク質が少なくなってしまいがちですので、意識的に摂取するようにしましょう。プロテインを飲むことも一つの方法です。

他に、

食物繊維の摂取も、糖質や脂質の吸収を穏やかにする効果があり非常に重要です。

野菜の他にも、海藻キノコ類も積極的に摂りましょう。糖や脂肪の吸収を穏やかにする効果があります。

食べる順番も非常に大事で、

野菜などの食物繊維 → タンパク質 → 炭水化物

の順番で食べましょう。

こうすることで、急激な血糖値の上昇を抑えることができます。

 

具体的な運動療法

週に3回1回30分程度の運動が推奨されています。

その他の生活習慣病に対する運動療法と同様に、継続が何より重要です。

「よし!30分ランニングするぞ」といきなりガッツリとした激しい運動を始めても、怪我のリスクもあり、まず長続きしません。

ですからウォーキングジョギングラジオ体操サイクリングなど無理なく、そして楽しく続けていける運動を取り入れましょう。

ちゃんとした運動時間の確保が難しい場合は、通勤で歩く距離を伸ばす(一駅前で降りて歩く)、なるべく階段を使うようにする、週末に雑巾掛けや風呂掃除をするようにする、歩いて買い物に行く子供と体を動かして遊ぶなどの続けやすい軽い運動を取り入れていきましょう。

ウォーミングアップとクールダウンの運動は必ず行うようにして、運動前後の血糖値の評価も重要となります。

そして、継続するのに意外と大事なのが、

一人で頑張らず、他の人と一緒に運動する!

ということです。

家族や友人、散歩の場合はペットの力を借りることも非常に有効です。

ぜひ、周りの人に声をかけてみましょう!

 

薬物療法とは?

いくつかの種類の薬があり、単独あるいは組み合わせて使用していきます。

最近ではダイエット薬として知られてしまっていますが、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬というのは本来は糖尿病の治療薬として開発されました。

ダイエットに利用されることで、流通量が減り糖尿病患者さんが使えないという非常に由々しき問題もありましたね、、、(改善はされているようです)

さて、以下が糖尿病治療で使用される薬剤の作用です。

✔︎ 肝臓での糖の合成を抑える薬剤

✔︎ 血糖に合わせてインスリンの分泌を促し、グルカゴン(血糖を上げるホルモン)の分泌を抑える薬剤

✔︎ 食後の高血糖を抑える薬剤

✔︎ 腎臓での糖の再吸収を抑える(尿に糖を排泄しやすくする)薬剤

✔︎ 肝臓や筋肉でのインスリン感受性(インスリンの効きをよくする)を上げる薬剤

✔︎ 血統とは関係なくインスリンの分泌を促す薬剤

これらの薬で効果が乏しい場合は、

インスリンの注射を行なっていきます。

インスリンの注射剤には、長く緩やかに効果が続くものと、短時間でグッと効果を出すものがあり、それを組み合わせて使用していきます。

最初は医療機関で注射を行い、注射方法の指導により自分で打てるようになれば、在宅で自己注射を行うこともあります。

 

 

長くなってしまいましたが、高血圧、脂質異常症(高脂血症)と続き、糖尿病について説明してきました。

動脈硬化をきたす三大生活習慣病について、少し理解を深めていただけましたでしょうか?

3つの病気に共通する厄介な特徴は、どれも最初は自覚症状がない病気であることです。

知らない間に全身の血管で動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などの病気で、自分の抱えていた病気がどんなに悪いものだったのかに気が付くというケースは非常に多いです。

私も救命救急センターに勤務していた時に、心筋梗塞やくも膜下出血で命を落としかけて救急搬送されてくる患者さんをたくさん診てきました。

なんとか治療が奏功し、会話もできるまで回復された方の中には、

「家族に病院に行けって言われてはいたんだけど、放置しちゃって、、、」

「わかっちゃいたけど、あぶらものをやめれなくて、、、」

「昔から体は丈夫だったし、さすがに自分はならないかなと思ってたら、、、」

といった言葉を口にしていた方も多くいらっしゃいました。(これ本当!

これまでも何度も書きましたが、高血圧、脂質異常症、糖尿病の治療をせずに放置することは致死性疾患に直結し、発症してそのまま亡くなってしまう人もたくさんいるんです。

あなどってはいけません!

 

健診で生活習慣病を指摘されたあなた!!

すぐに当院を受診しましょう!!!

あなたの受診をお待ちしております!!

 

次回からは生活習慣病を離れ、普段よくある病気や症状についてお話ししていきます。

お楽しみに〜!