熱中症② 〜熱中症のリスクとは?〜
- 2025年7月2日
- 内科
皆さん、こんにちは!
今回は、熱中症のリスク要因について説明していきます。
自分に当てはまる要素がないか、チェックしてみましょう。
どのような環境が熱中症になりやすいの?
熱中症の環境リスクは、皆さんご存知の通り、
暑くて、ジメジメした環境
です。
最近は、ニュースでも熱中症警戒アラートという言葉をよく聞くようになりました。
これは2021年から熱中症予報情報サイトで提供されているものです。
地域ごとに、暑さ指数(WBGT)を用いてアラートを発信し、熱中症にならないように気付きを促すものです。
暑さ指数 WBGTとはwet-bulb globe temperatureという湿球黒球温度計という機器を用いて測定した黒球温度、気温、湿度、さらには直射日光の有無を指標として算出されるもので、
これが28度を超えると熱中症のリスクが高いと判断します。
警戒アラートは35度を超えると発信されます。
今年からは熱中症の予防策を講じることが事業者の義務となり、専門の機関でなくても簡易的にこのWBGTを測定できるようになりました。
さて、では温度や湿度だけでしょうか?
そのほかにも様々な要因があります。
✔︎ 風がない、輻射熱(照り返しなど)を受けるなどの環境
✔︎ 筋力を使う、重量物を取り扱う、長距離を移動するといった仕事内容、運動内容
✔︎ 高温多湿環境に晒される時間
✔︎ 休憩までの連続作業時間、休憩時間の長さ
などなどたくさんの要因があります。
熱中症になりやすい人は?
熱中症になりやすい因子は環境要因だけでなく、その人(患者さん)の要因もあります。
まずは年齢です。
ご想像の通り、乳幼児と高齢者はリスクが高いです。
乳幼児は体に備わっている体温調節機能がまだ未熟であり、高齢者は年齢による機能低下が避けられません。
また、高齢者の場合は認知機能の低下も大きく関連しています。
つまり、喉の渇きを感じにくい、暑熱環境から逃避することができない、暑熱環境にいることに気づかないという問題が原因となることもあるのです。
次に既往歴や薬剤の影響です。
高血圧症や糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患、腎疾患、広範囲の皮膚疾患、脳神経疾患は統計上、熱中症に罹患しやすいと言われています。
また風邪をひいている、お腹を壊して下痢が続いているという、一時的な症状や病態も熱中症リスクを上げます。
睡眠不足、前日の多量飲酒、当日の朝食未摂取などもリスクが高いという統計データがあります。
また飲んでいる薬も関連があり、降圧剤(血圧を下げる薬)、NSAIDs(ロキソニンなどの消炎鎮痛剤)、抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)、向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬など)の服用者は熱中症になりやすいかったとの報告が海外から出ています。
最後は、社会背景です。
つまり社会経済的要因です、エアコンを設置できないという家の環境は実は結構関連が大きいのです。
今回は熱中症のリスク要因を挙げていきました。
これらの要素のある人は特にですが、予防が何より大事!!
次回はそんな予防についてお伝えします!
夏に向けて、ぜひ参考にしてみてください!