熱中症① 〜熱中症とはどんな病気?〜
- 2025年7月1日
- 内科
皆さんこんにちは!
またも間が空いてしまいました。申し訳ないです。
6月とは思えない猛暑日が続き、ついに7月になりました。
毎朝ニュースでも熱中症に注意しましょうと言っていましたね。。。
今回からはその熱中症について正しい知識をお伝えしていきますね。
熱中症とは?
熱中症とは、皆さんもご存知の通り、
暑熱環境に暴露されることにより、体の水分と塩分のバランスが崩れ(脱水症)、体温調節機能が破綻し高体温をきたすことで生じる一連の健康障害
のことを言います。
同じ体温が上がる状態でも「発熱」と「高体温」というものがあります。
簡単にいうと、風邪などで熱が出るのが「発熱」、熱中症などで体温が高いのが「高体温」と分かれており、実は体の中で起こっている状況が異なります。
熱中症はどんな風に分かれているの?
これまでは、熱痙攣、熱失神、熱疲労、熱射病などと分類されていましたが、2024年に日本救急医学会がI度〜IV度と分類し直しました。
熱痙攣は、筋肉がつったりした状態
熱失神は、脱水により血圧が下がり一時的に意識を失ってしまう状態
熱疲労は、脱水の持続により筋力や消化機能が低下した状態で倦怠感などが強くなった状態
熱射病は、脳の体温中枢が破綻し、体温が40度を超えて意識障害を起こした状態
といった感じです。
新しい分類としては、
I度(軽症)は、意識ははっきりしているものの手足の痺れやめまい、立ちくらみなどを認める状態
自分で水分を取ることはできることが多いです。
II度(中等症)は、強い頭痛やだるさがあり、吐き気や嘔吐してしまうような状態で、周りの人からはなんとなく意識も少しおかしいような感じがする場合もあります。
自分で水分を取ることができないこともあり、その場合は医療機関への搬送も必要です。
III度(重症)は、意識がない、あるいは呼びかけても反応が悪い状態、痙攣したり真っ直ぐに歩くことができない状態です。
救急車での搬送や積極的な冷却が必要となります。
IV度(最重症)は、III度に該当する人の中でも「深部体温が40度以上、意識状態がかなり悪い人(医学的にはGCS8点以下と表現します)」を指します。
この場合は、救急搬送ももちろんですが、急いで体の冷却を進めないといけません。
また集学的治療といって、気管挿管や大量輸液、透析などのICUでの治療が必要となることがほとんどです。
熱中症の判断には、皆さんが家や病院で脇の下で測る体温はあまりアテになりません。
熱中症には「深部体温」という温度を使って評価をします。
深部体温とは、膀胱や直腸などの表面の温度をさし、簡単に言えば体の内部に近い(深い)ところの体温のことです。
ですので、救命救急センターなどでは、急いで専用のモニター器具を使って直腸温や膀胱温を測定します。
脇の下で38度くらいでも、深部体温が40度近いなんてこともあります。
なんとなく、熱中症ってこんな状態か!ってことはお分かりになりましたか?
次回は、熱中症のリスク要因についてお伝えします!
自分が当てはまるものがないかチェックしてみてください!