足関節捻挫② 〜診断〜
- 2025年5月11日
- 外傷
皆さんこんにちは。
だいぶ間が空いてしまいました。すみません。
今回は足関節捻挫の診断についてお伝えしましょう。
どんな診察をするの?
関節は、その周囲に存在する靭帯により構造が維持されています。
その維持する力を超える力が加わると、靭帯そのものが壊れたり、靭帯が付着する骨が折れたりすることで損傷が生じます。
前回もお伝えした通り、「捻挫」という言葉には、医療者側と患者さん側で損傷程度の認識の差がありますが、
足関節捻挫では、足関節周囲の靭帯を損傷することが多いです。
よく損傷してしまう靭帯がいくつかあります。
✔︎ 前距腓靭帯
✔︎ 踵腓靭帯
✔︎ 前下脛腓靭帯
✔︎ 二分靭帯
などでしょうか。
そのほかにも捻り方によっては、後距腓靭帯や三角靭帯などたくさん損傷しやすい靭帯が存在します。
また骨折も実は多く、特に子供では靭帯がくっついている骨ごと剥がれてしまう裂離骨折(剥離骨折)が60%くらい生じてしまいます。
ですから、私たちはまず、よく損傷しやすい骨と靭帯を触診していきます。
最も多いのは外くるぶしとその少し前の部分が腫れて、押すと強い痛みを認めます。
足関節外顆骨折(腓骨遠位端骨折)と前距腓靭帯損傷があるかもしれません。
外くるぶしの下が痛い場合は踵腓靭帯、
後ろが痛い場合は腓骨筋腱、
上側が痛い場合は前下脛腓靭帯、
前の下の方が痛い場合は二分靭帯、
内くるぶしの下が痛い場合は三角靭帯、
足の外側が痛い場合は、第5中足骨という骨が折れている可能性があります。
ざっくりとこんな感じでしょうか。
また、どうすると痛みが出てしまうのかも大事です。
多いのは、動かさなければ痛くはないけど、足首を伸ばす(背伸びをする時の動き)や内側にひねる(怪我した時の動き)をすると痛みが強くなります。
体重をかけると痛みが出ることがほとんどです。
そのような痛みの有無と痛みの場所を確認することで診察をしていきます。
どのような検査をするの?
主にはレントゲン検査と超音波検査を行います。
レントゲンでは骨折の有無を確認します。
超音波検査では、靭帯がどの程度損傷しているかを確認します。
超音波検査はかなり進歩し、画質もよくなっているため、靭帯の損傷がとてもよくわかります。
その部分に血流が増えているかどうかも見ることができ、増えている場合は炎症が生じていることを示していることが多いです。
実は、レントゲンでもはっきりしないような細かい骨折は超音波検査の方がわかることだってあります。
そのほかに細かい評価のためにCT検査やMRI検査を行うこともあります。
診断方法はこんな感じです。
次回は治療についてお話しします。
治療については、足関節捻挫以外の他の場所の怪我の際にも行われる最も基本的な対応もお話しします。
お楽しみに!